So-net無料ブログ作成
教育政策・教育「改革」 ブログトップ

大規模校で自分らしさを発揮しにくい子が・・・ 小規模特認校制度って? [教育政策・教育「改革」]

静岡新聞12月20日に、
静岡市教委  小規模特認校導入へ
という記事が載っていました。
その記事の中で、

「大規模校で自分らしさを発揮しにくい子が
 きめ細かい指導を受けられたり、
 自然の中で個性を生かした教育ができたりする」

と利点が挙げられていました。
 問い合わせしましたが、確かに静岡市教委学事課の方がそう言われたとのことです。

 HPから、その制度について拾ってみました。
 楽観できるような条件ではありませんが。
 保護者の送迎、通学1時間以内など。
 各校に、勧めたい子どもさんがおられますか?
 

小規模特認校制度

静岡市立小・中学校 小規模特認校募集要項

1.小規模特認校制度とは
 静岡市では平成29年度より、中山間地の自然豊かな環境で特色ある教育(施設一体型小中一貫教育)を行っている小規模校に、市内全域からの就学を認める小規模特認校制度を導入します。小規模校のよさを活かした教育環境で「学びたい」という希望者に対して、一定の条件の下、入学・転校を認める制度です。

2.平成29年度実施校(施設一体型小中一貫校)及び定員
  (1) 静岡市立梅ケ島小・中学校  小・中全体で5名程度
  (2) 静岡市立大河内小・中学校  小・中全体で5名程度

3.就学の条件

  希望する保護者及び児童は、次の条件をすべて満たしている必要があります。
  (1) 小規模特認校の教育方針に賛同し、協力することができること。
  (2) 保護者の責任と負担において、児童・生徒が安全に通学でき、公共交通機関の利用又は送迎
    が可能で、概ね1時間以内で通学できること。(市及び学校からの通学に要する費用の補助は
    ありません。)
  (3) 原則として卒業するまで就学すること。
  (4) 現在お住まいの場所の学校が5学級以下の小規模校でないこと。

4.就学の申請手続き等
(1)申請期間  平成28年12月19日(月)~平成29年1月20日(金)
         (転学児童・生徒については、随時相談を受け付けます。)
(2)申請の流れ
 1.保護者から所属校へ、面接・相談を申し込む。(小学校新1年生の場合は、小規模特認校へ)
 2.所属校より、教育委員会事務局学事課・小規模特認校へ連絡する。
 3.小規模特認校との面接・相談及び見学・体験等を行う。
 4.「指定学校変更申立書兼誓約書」(様式1)と「経路確認報告書」(様式2)を教育委員会事務局学
 事課へ持参又は郵送する。
  *受付時間は、午前8時30分から午後5時15分
   (ただし、土曜日、日曜日、祝日、12月29日~1月3日は除きます。)

(3)許可の通知 静岡市教育委員会と小規模特認校で審査し、審査結果をお知らせします。


5.その他
  ・就学を許可した後において、申請の事実と異なり、又はこの制度の趣旨に添わない事由が生じ、
   支障があると認められたときは、教育委員会が指定する学校へ転学していただきます。
  ・定員を超えた申請があった場合は、教育委員会事務局学事課と小規模特認校校長が協議し決定
   します。

6.問い合わせ先
(1) 静岡市教育委員会事務局 学事課 学事係
        静岡市清水区旭町6番8号   
        電話:054-354-2377
(2) 静岡市立梅ケ島小・中学校
        静岡市葵区梅ケ島1309番地の1 
        電話:小学生の方は054-269-2009(校務主任まで)
           中学生の方は054-269-2148(教頭まで)
(3) 静岡市立大河内小・中学校
        静岡市葵区平野1850番地の3  
        電話:小学生の方は054-293-2303(校務主任まで)
           中学生の方は054-293-2004(教頭まで)

nice!(1)  コメント(0) 

3つの中教審答申にあたって 全教の談話 [教育政策・教育「改革」]

【全教談話】
中教審の3つの「答申」にあたって
〜憲法と子どもの権利条約にもとづき抜本的な教育政策の転換を求めます〜
  (「教員養成 答申」、「チーム学校 答申」、「コミュニティスクール 答申」)

2015年12月22日
全日本教職員組合(全教)
書記長 小畑 雅子

1.中央教育審議会は、12月21日総会を開催し、「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~(答申)」(以下、「教員養成 答申」)、「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」(以下、「チーム学校 答申」)、「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申)」(以下、「学校運営協議会等 答申」)、の3つの「答申」を決定しました。これら3つの「答申」は、安倍「教育再生」を教員の養成・採用・研修、教職員配置、学校運営体制などに関わって具体化するものであり、日本の子どもと教育の現状の困難や課題を克服するどころか、いっそう子どもたちを追いつめ、学校や教職員への統制を強化しようとするものです。

2.3つの「答申」は、それぞれ以下のような問題点を持っています。

① 「教員養成 答申」は、現在の学校と教育の困難を打開し課題を克服する責任を主として個々の教員の資質に求め、学校と教職員の自主性を奪い、長時間過密労働を放置している国と教育行政の責任を放棄するものとなっています。同時に、安倍政権の目的遂行のために国による教育への政治支配を強化する方向で、教員の養成・採用・研修を統制しようとするものです。それは、「教員育成指標」の策定、「教員育成協議会(仮称)」の設置、採用選考試験における共通問題の策定、学校インターンシップの導入など、教員養成段階からいっそう国や行政当局の統制を強化しようとするものであるとともに、大学の自治や学問の自由を侵害しかねないものです。

② 「チーム学校 答申」は、養護教諭や栄養教諭等の配置基準の改善、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、部活動指導員(仮称)などを法に位置づける方向性を打ち出してはいるものの、管理職層の配置増など学校長の「マネジメント」力を強化する観点からのものとなっており、チームワークが大切にされなければならない学校職場の共同を阻害するものといわなければなりません。

③ 「学校運営協議会等 答申」は、学校運営協議会(コミュニティスクール)の設置促進、「地域学校協働本部(仮称)」の新設などを提言しています。「校長のリーダーシップの発揮」のために、委員の任命に関わって校長の意見を反映するしくみを提言するなど、学校運営を子ども、父母・保護者、住民、教職員などの参加を得てすすめるのではなく、教育委員会と学校長が主導して学校運営をすすめる体制を整備するものです。また、複数校で共同で設置することなども提言しており、学校統廃合や小中一貫校の設置をすすめる手段となる懸念もあります。「家庭の教育力の低下」を口実に、家庭教育に責任を負わせ、そのあり方に踏み込むものとなっています。さらに、「地域学校協働本部(仮称)」は、「土曜授業」や「放課後子ども教室」などを推進するために、地域住民などにその「支援」を押しつけるものとなる危険性を持っており、教育行政の責任を放棄することにつながりかねないものです。

3.3つの「答申」は、いずれも「少子高齢化」やグローバル化などに日本社会が直面しているという課題意識のもとに、そうした下での人材育成を行うことを目的とするものであり、教育を時の政権の政治支配の道具として利用するものです。こうした立場は、戦前の教育が戦争遂行と植民地支配をすすめる政府の目的に利用され、多くの子どもたちを戦場に駆り立てたことへの反省から確立された「教育は不当な支配に服さず」とする立場とは相いれないものであり、容認できません。

4.日本は、いじめや登校拒否・不登校、自殺、虐待の増加など、子どもと教育をめぐって多くの困難を抱えています。これら、一つ一つの背景には、貧困と格差の拡大、競争主義教育の激化、地域経済の弱体化、貧困な教育条件など、さまざまな社会的要因が指摘されています。しかし、3つの「答申」は、子どもと教育をめぐる困難の打開をもっぱら子どもと父母・保護者、学校と教職員、地域住民の責任とし、これらの社会的要因をつくり出してきた国や行政の責任を不問に付しています。子どもと教育の現状の背景への認識もその処方箋も間違ったままでは、子どもたちの未来は開けません。

5.今、求められているのは、国の責任で30人学級を実施するなど学級定員をOECD諸国並に引き下げること、全国一斉学力テストなど競争主義的な教育をあらためること、教職員の長時間過密労働を抜本的に改善すること、学校や教職員への統制ではなく自主性や自由な議論を尊重することなど、子どもと教育に自由とゆとりを取り戻すことです。

  全教は、子ども、父母・保護者、国民、教職員による参加と共同の学校づくりをすすめるとともに、憲法と子どもの権利条約にもとづき、国の責任による少人数学級の実現など抜本的な教育政策の転換を求めて全力をあげるものです。

15.12.21遠くに富士山.jpg
nice!(0)  コメント(0) 

学校の統廃合の押しつけは許さない ゾッ! [教育政策・教育「改革」]

【全教談話】
「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」について


国の押しつけによる財源確保のための機械的な統廃合を許さず、
子どもや地域の実態に合わせた教育条件整備を


          2015年2月4日
           全日本教職員組合(全教)
           書記長今谷賢二


 1月27日、文部科学省は「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引(以下、「手引」)の策定について」(通知)を各都道府県・指定都市教育委員会教育長、各都道府県知事、各国公私立大学長あてに通知しました。


1.今回の「手引」は、約60年ぶりに学校の統廃合の指針を改定したものです。公立学校の学級規模で標準(12~18学級)に満たない学校が、小学校で約9400校(46%)、中学校で約5000校(51%)と半数近くあることや、今後の少子化の進行等により学校が「過度に小規模化」することで教育条件への影響が出るとし、小学校で6学級以下、中学校で3学級以下の学校については、統廃合の適否を「速やかに検討する必要がある」としています。


 「手引」は、教育再生実行会議の第五次提言で示された、「統廃合によって生じた財源の活用等」によって「教育環境の充実」にあてようとするもので、「学校規模の適正化」のもと、統廃合をすすめることを前提としているものです。そのことは、過大・過密の学校については、大規模校であることの課題を示しつつも、「過大規模校についてはすみやかにその解消を図るよう設置者に対して促してきており…」とほとんどふれられていないことなどからも、そのねらいが、統廃合による教職員削減と教育予算削減にあることは明らかです。


2.「教育の機会均等を確保する観点からまず検討しなければならないのは、小規模であることのメリットを最大限に生かし、児童生徒への教育を充実させる方策」だとしつつも、学級数が少ないことや教職員数が少なくなることによりクラス替えができないことや多様な意見にふれられないなど集団活動の制約があることをことさらにとりあげ、望ましい学級数(小学校で12学級以上、中学校で9学級以上)になるように統廃合により学級数を確保することを求めています。しかし、小規模校では、子どもたちに目がゆきとどききめ細かな指導ができることや保護者や地域と連携した教育活動がしやすいなどのメリットもあり、現在の小規模校でも十分な教育活動がおこなわれています。


 統廃合をせず小規模校で存続させるためには、小規模校でのデメリットの解消や緩和のために、小中一貫教育の導入、タブレットPCの整備により他校の児童生徒との情報交換、放課後や土曜日等の活用などを求めています。教職員体制についても、複数学校間での兼務発令による免許保持者による指導の確保や学校事務の共同実施などでの効率化などに言及していることも問題です。
 

 本来、国は、教育の機会均等とその水準の維持向上を担うべきで、小規模校の統廃合を押しつけるのではなく、圧倒的な国民世論となっている30人以下学級の推進等により全国のどこにいても同じように教育を受けられる条件整備を行うことが必要です。国の責任を放棄することは許されるものではありません。


3.通学条件についても、「小学校で4㎞以内、中学校で6㎞以内」という通学距離による基準は妥当としつつ、通学時間について「おおむね1時間以内」を一応の目安とし、交通機関の発達によりスクールバス等の交通手段の利用を含めました。これは、広範囲での統廃合を可能にするものです。子どもたちは、通学距離が遠距離になり通学時間が長くなることで、疲労の蓄積やそれにともない学習に対する集中力ややる気がそがれたり、放課後の活動や遊びの時間の制約がされたりするなどよりいっそうの困難が強いられることになります。


4.さらに学校は、教育施設というだけでなく文化・スポーツ、防災の拠点など、地域にとって多様な側面があります。学級数や通学時間などの基準に照らし統廃合を機械的に進めることは、地域から多面的な学校の役割が消え、地域の衰退にもつながります。


 そもそも、学校の設置は地方公共団体の権限です。保護者や地域住民との合意がないまま、行政主導で統廃合が進められることがあってはなりません。2014年の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改悪により、各自治体の首長が、総合教育会議などを利用して統廃合を押しつける危険性にも留意する必要があります。公立小学校・中学校で「手引」により、統廃合が進められていけば、高等学校へ波及することは必至です。子どもや保護者、地域住民、教職員の声が反映される学校づくり、教育条件整備が求められています。


 全教は、国による学校の統廃合の押しつけを許さず、子どもを中心に、子どもの実態や保護者や地域住民の願いをもとに教職員との共同ですすめる学校づくりに奮闘する決意です。

                                   以上
15.2.4静岡市街.jpg

nice!(0)  コメント(0) 

小中一貫教育 と 高校早期卒業制度 どう思います? [教育政策・教育「改革」]

あなたは、どう考えますか?

小中一貫教育 と 高校早期卒業制度

全教の問題提起を読まれて、

ご意見は、下記へ

文科省

意見の提出方法

(1)提出手段郵送・FAX・電子メール

(電話による意見の受付は致しかねますので、御了承ください)

(2)提出期限平成26年11月25日(火) 必着

(3)宛先

(郵送・FAX の場合)

住所:〒100-8959 東京都千代田区霞ヶ関3-2-2

文部科学省生涯学習政策局政策課教育改革推進室宛

FAX番号:03-6734-3711

(E メールの場合)※テーマごとに以下のメールアドレスに送付下さい。

電子メールアドレス(←添付しないで、記入)

1.「小中一貫教育の制度化及び総合的な推進方策(審議のまとめ(案))」

→ gakuseikaikaku1@mext.go.jp (←コピーして宛先に貼り付けて)

2.「高校早期卒業制度について」

→ gakuseikaikaku2@mext.go.jp  (←コピーして宛先に貼り付けて)

「小中一貫教育の制度化及び総合的な推進方策について(審議のまとめ(案))」について

論点1 「小中一貫教育が取り組まれている背景」について

「審議のまとめ(案)」は、小中一貫教育が取り組まれている背景として、義務教育の目的・目標規定が新設されたこと、教育内容や学習活動の量的・質的充実への対応、発達の早期化、「中1ギャップ」への対応、地域コミュニティの核としての学校における社会性育成機能の強化などをあげています。

しかし、これらの論拠は、一つとしてこれまでの6・3制の学校制度を9年制にする根拠となるものではありません。

たとえば、「中1ギャップ」については、国立教育政策研究所の生徒指導・進路指導研究センターが作成したリーフで「『中1 ギャップ』という語に明確な定義はなく、その前提となっている事実認識(いじめ・不登校の急増)も客観的事実とは言い切れない」と指摘しています。また、発達の早期化については、昭和20年代と比較して2歳程度成長が早期化していることが論拠とされています。しかし、それらの影響は、白梅学園の無藤氏が教育再生実行会議に提出した資料でも、生活水準の向上や栄養状態の改善におうところが大きいとされているものであり、1980年代以降大きな変化があるわけではありません。さらに、「学校の楽しさ」や「教科や活動の時間の好き嫌い」などについて小学校5年生から肯定的な回答の割合が減少する、中学生については「授業の理解度」も含めて減少するということなども小中一貫とすることの論拠にあげています。しかし、これらの要因についても学習指導要領の問題や国連子どもの権利委員会から「過度に競争主義的」と指摘され続けている日本の教育制度の問題なども含めた分析とはなっていません。

義務教育の目的・目標規定については、教育基本法第2条の目的達成のために入れ込んだものであり、教育の目標を子どもたち一人ひとりの人格の完成におくのではなく、「我が国と郷土を愛する態度を養う」など国が定める規範意識や態度を押しつけるものであり、そうした目的・目標そのものが義務教育のみならず、教育の目標とされること自体が問題です。

以上のように、小中一貫の学校を制度化する論拠そのものが薄弱です。


論点2 「小中一貫教育の現状と課題」について

文科省が行った実態調査結果をもとに整理された現状や課題からも、以下のように小中一貫教育を制度化することの必然性は明らかではありません。

たとえば、取り組まれている背景として、「発達の早期化」があげられていますが、実態調査の結果では、「発達の早期化に対応」としているのは17%にすぎません。

また、学年段階間の区切りは6・3が7割を占めていることにも現されています。それらの背景は、「転出入者への学習指導上・生徒指導上の対応」「児童生徒の人間関係が固定化しないような配慮」「小学校高学年におけるリーダー性や主体性の育成」などを課題としてあげていること、初等中等教育分科会の議論でも何人もが学校段階間の区切りが子どもたちが「ステップアップする契機となる」という意見を述べていることに現されているように、子どもたちの成長・発達にとってマイナス面があるという懸念が払拭されていません。

さらに、教職員にとっては時間の確保や負担の軽減、多忙感の解消などが課題とされており、この点についても初等中等教育分科会で何人もの委員から教職員の加配等の必要性が語られたように課題は解決されていません。


論点3 「小中一貫教育の制度化と基本的方向性等」について

制度化にあたって「審議のまとめ(案)」では、小中一貫教育を導入するかどうかは、設置者が既存の小・中学校も含め選択すること、導入そのものについても設置者の判断とすることとしています。その結果、小学校段階から学校制度が複線化する地域が出現することとなります。就学指定を設置者がおこなうこととされていますが、制度の違う学校への指定が、子どもや保護者に無用な不安や混乱をもたらすのではないか、そのことが子どもたちに否定的な影響を与えるのではないかとの懸念は払拭できません。さらに、学校選択制が導入されれば、子どもと保護者は、6歳の段階での学校種の選択まで迫られることになります。その懸念はいっそう増すことになります。こうした点からも小中一貫教育の制度化には反対です。


論点4 総論

小中一貫教育を制度として導入することについては、教育再生実行会議の「今後の学制等の在り方について (第五次提言)」(以下、「第五次提言」)にもとづくものです。「第五次提言」は、少子高齢化などによる「生産年齢人口の加速度的な減少」「グローバル化の進展」の中で「国力の源である人材の質と量を充実・確保」するとして、「一番のポイントは、…多様化・複線化した制度での人材教育」(2013年10月31日第14回教育再生実行会議での山中文部科学事務次官)の立場で貫かれています。そのため、提言では学校制度の複線化や高校の早期卒業の制度化など競争の教育を強化するためのものとなっており、そもそも、出発点が間違っていると指摘せざるを得ません。

制度化されれば、同じ学区の中に、通常の小・中学校、「小中一貫教育学校(仮称)」、「小中一貫型小学校・中学校(仮称)」、「中高一貫校」などが並立し、子どもたちはいっそうの競争の中に追い込まれることになります。この結果、いじめや不登校などをいっそう深刻なものとすることが懸念されます。

もともと、文科省は2012年にも中教審の初中教育分科会・学校段階間の連携・接続等に関する作業部会において「義務教育学校制度(仮称)創設の是非」について検討し、「小学校入学時に選択できるのか」、「人間関係が固定化し新たに出発する機会が失われる」、「システムとしてどのような効果をもたらすのかが不明」などの反対意見も多く、中教審として導入を見送った経過があります。

そして、上記の作業部会において、「改めて検討する場合」には、小中一貫教育を推進する学校の「成果や課題等について把握、検証」した上で、「一つの学校種として『義務教育学校』を制度化することの是非、初等教育段階から学校制度が複線化することに対する考え方、…『中等教育学校』との制度的整合性等について、十分な検討を進めることが必要である」とも付言されていたものです。こうした経過を踏まえるならば、今回の提言にあたって、少なくともこれらの検討課題が十分解明されなければならなかったにもかかわらず、十分な解明がなされたとは言えません。

また、こうした学制の改変とあわせて「学校規模の適正化」の名の下に学校の統廃合もすすめようとしていることです。現在、小中一貫校の設置が特区制度等を利用して先行的に実施されている地域では、既存の学校の統廃合と一体にすすめられているところがありますが、国としてこうしたやり方を推進しようとするものです。しかも、「統廃合によって生じた財源の活用等」によって「教育環境の充実」にあてようとしていることは、ナショナルミニマムを確保する国の責任を放棄するものです。

以上のように、小中一貫教育を制度化することは、教育をいっそう競争主義的なものとし、財界の求める「人材育成」に活用しようとするものであり、断じて容認できません。


高等学校早期卒業制度について

 

高校早期卒業制度に強く反対します。

1.一握りのエリート育成ではなく、思春期の青年の成長・発達の保障こそが重要

中央教育審議会でだされた「高校早期卒業制度について(要点の整理)」(案)では、高校2年間で50単位以上を修得し、大学入学後に16単位以上を修得した状況をもとに、高校3年の課程を修了した者と「同等以上の学力」を持つことを文部科学大臣が認定し、通常の高等学校卒業と同等の法的地位、社会的評価が得られるようにするとしています。

グローバル社会の国際競争に勝ち抜く人材を育成するため、などという財界の要望で、生徒の人格形成にとって極めて重要な「高校3年生」の1年間を放棄させることを促す高校早期卒業制度には反対せざるを得ません。現在、高校に2年以上在籍して、大学が「特に優れた資質を有する者」と認められた者が大学へ飛び入学する制度がありますが、特定の分野に「特に優れた資質を有する者」というだけでは、偏った成長を促すことに繋がりかねません。思春期にある高校生の豊かな成長・発達を保障するためには、3年間以上の学校における集団生活が必要です。

財界等が期待したほどには広がっていない飛び入学に加えて、スーパーグローバルハイスクール、スーパーグローバル大学、大学でのグローバル人材育成のための大学改革などが矢継ぎ早に行われていますが、一握りのグローバルなエリート育成を目指す政策では、全国の自治体での最重要課題である少子化対策にはなりません。大多数の子どもたちは地域で生まれ・育ち、地域を支える役割を果たしていきます。少子化の流れを止め、地域を活性化するためには、地域の担い手となるすべての子どもたちの教育費の保護者負担を軽減し、少人数学級などのゆきとどいた教育条件をすすめることこそが重要です。


2.高校卒業と同等と見なすには3年以上の学校教育が必要

現在の学校教育法などは、3年間の修業年限と74単位以上の教育課程を通じて、高校教育の目的等を達成するように定めています。高校50単位以上、大学入学後の16単位以上取得というだけでは、単位数を満たさないことはもちろん、高校の単位と大学の単位では教科・科目の目標・内容に質的に大きな違いがあり、単位数の合計だけで解決する問題ではありません。

また、高校の教育課程では、必履修教科・科目の最低合計単位数は31単位以上とされ、1・2学年だけでは編制できずに3学年で履修しなければいけない科目が一定数あります。高校卒業のためには、幅広い普通教育の基礎知識が必要であり、2学年までで高校卒業に必要な必履修教科・科目を受講することは極めて困難です。

高校卒業という資格は、単なる単位の積み重ねだけで得られるものではありません。様々な学校行事や部活動などの自主的・自治的な活動や集団生活を通して得られる人間的成長により、教育の目的である「人格の完成」(教育基本法第1条)や、高校教育の目標である「個性の確立に努める」(学校教育法第51条3)ことができるのです。

その意味でも、高校生活の集大成であり、リーダー的存在としての人間的成長が大きく期待できる最終学年を経験しないことのマイナス面はあまりにも大きいと言わざるを得ません。

文部科学省が行った、飛び入学経験者へのアンケートでは「通常期間の高校生活を経験しないことなど体験が少ない面で不安(7/34名)」「○○高校のOB・OGになれない(例えば同窓会などの組織に入会できない)(7/34名)」などの不安や、科学オリンピック出場者等の高校生からも「通常期間の高校生活を体験しないことなど体験が少ない面で不安(28/64名)」という回答が出されていることは当然です。

飛び入学制度の現状は、千葉大学を含めて6大学が実施しているものの、1998年度(平成10年度)から導入した千葉大学が17年間で77名の入学、ピーク時の2006年(平成18)には9名の入学者がありましたが、ここ数年は年2~4名程度であり、その他の大学は0~1名程度でしかありません。

飛び入学制度や、それを改良した「高校早期卒業制度」に未来がないのは明らかです。

nice!(0)  コメント(0) 

小中一貫?教育の複線化?早期教育?よ~く考えよう [教育政策・教育「改革」]

「全教談話」今後の学制のあり方についてを載せる前に、


本日、7月12日(土)教員採用選考試験の受験生のみなさん!
暑い中、静岡市以外の方には、会場がわかりにくい中、ご苦労様でした。
十分、力を発揮できたでしょうか。
基本は、「選考」ですから、やる気や子どもへのまなざしがあれば、大丈夫!
明日もありますが、まずは、しっかり寝て、暑さに負けず、がんばって!


追;会場を間違った方、親切な受験生のお父さんがいて、送って行ってもらったと思うけど、間に合いましたか。しんぱ~い。


【全教談話】
「今後の学制等の在り方について (第五次提言)」にあたって


競争を強化し、教育を財界の求める「人材」育成の道具にしようとする「第五次提言」は撤回せよ.
2014年7月9日


全日本教職員組合(全教) 書記長今谷 賢二


 教育再生実行会議は、7月3日、「今後の学制等の在り方について (第五次提言)」(以下、「第五次提言」)を決定し、安倍首相に提出しました。
 「第五次提言」は、少子高齢化などによる「生産年齢人口の加速度的な減少」「グローバル化の進展」の中で「国力の源である人材の質と量を充実・確保」するとして、「一番のポイントは、…多様化・複線化した制度での人材教育」(2013年 10月 31日第 14回教育再生実行会議での山中文部科学事務次官)の立場で貫かれています。
 そのため、提言では学校制度の複線化や高校の早期卒業の制度化など競争の教育を強化するためのものとなっており、そもそも、出発点が間違っていると指摘せざるを得ません。
 幼児教育の無償化・義務化もこうした文脈での導入を検討しており、許されることではありません。


 その第1は、「小中一貫教育学校(仮称)」を制度化し、諸外国にも例がない初等教育から学校制度を複線化するもので、2016年度からの導入をめざしています。
 現在、各地で実施されている小中一貫教育や小中一貫校は、特区制度等を活用したものですが、制度化されれば、学校教育法等に正式に位置づけられたものとなり、教員免許や教職員定数、教科書、学校給食など関連する諸制度も改定されることとなります。
 同じ学区の中に、通常の小・中学校、「小中一貫教育学校(仮称)」、「中高一貫校」などが並立し、子どもたちはいっそうの競争の中に追い込まれることになります。この結果、いじめや不登校などをいっそう深刻なものとすることが懸念されます。
 もともと、文科省は 2012年にも中教審の初中教育分科会・学校段階間の連携・接続等に関する作業部会において「義務教育学校制度(仮称)創設の是非」について検討し、「小学校入学時に選択できるのか」、「人間関係が固定化し新たに出発する機会が失われる」、「システムとしてどのような効果をもたらすのかが不明」などの反対意見も多く、中教審として導入を見送った経過があります。
 そして、上記の作業部会において、「改めて検討する場合」には、小中一貫教育を推進する学校の「成果や課題等について把握、検証」した上で、「一つの学校種として『義務教育学校』を制度化することの是非、初等教育段階から学校制度が複線化することに対する考え方、…『中等教育学校』との制度的整合性等について、十分な検討を進めることが必要である」とも付言されていたものです。
 こうした経過を踏まえるならば、今回の提言にあたって、少なくともこれらの検討課題が十分解明されなければならなかったにもかかわらず、教育再生実行会議において十分な解明がなされたとは言えません。この点からも中教審に諮問することは許されないものです。


 第2に、こうした学制の改変を行うにあたって、「小 1プロブレム」や「中1ギャップ」の解消をあげています。しかし、それぞれの現象の背景や要因について十分な検討や分析が行われた上での制度改定となっていないことです。
 「小 1プロブレム」については、小学校 1年生の授業が成立しないなどの問題が指摘されています。その背景には、入学してすぐ 5時間授業など、現行指導要領や「学力向上」のかけ声の下での子どもたちの発達段階を無視した教育課程の押しつけの問題などがあります。また、教育再生実行会議での専門家からのヒアリングでは、少人数で丁寧にかかわることや、生活集団と学習集団が一致していることがとりわけ重要と指摘されています。このように、子どもたちの実態に応じた教育課程や学校運営の体制、少人数学級をさらに前進させることの方が重要です。
 また、「中 1ギャップ」についても国立教育政策研究所の生徒指導・進路指導研究センターが作成したリーフで「『中1 ギャップ』という語に明確な定義はなく、その前提となっている事実認識(いじめ・不登校の急増)も客観的事実とは言い切れない」と指摘されています。
 このように、今回の提言の前提そのものが成り立たないものです。


 第3に、こうした学制の改変とあわせて「学校規模の適正化」の名の下に学校の統廃合もすすめようとしていることです。現在、小中一貫校の設置が特区制度等を利用して先行的に実施されている地域では、既存の学校の統廃合と一体にすすめられているところがありますが、国としてこうしたやり方を推進しようとするものです。
 しかも、「統廃合によって生じた財源の活用等」によって「教育環境の充実」にあてようとしていることは、ナショナルミニマムを確保する国の責任を放棄するものです。


 第4に、大学などが「企業等と連携した実践的な職業教育を行うことに特化した仕組み」になっていないことなどを理由に、職業教育を行う「新たな高等教育期間の制度化」を提言しています。
 同時に、高等専門学校は「産業構造やグローバル化等に対応した実践的・創造的な技術者を養成」として「教育内容の改善」や「学科構成の見直し」まで提言するなど、国が教育課程の編成に介入し、教育を財界の求める人材育成の道具に仕立て上げようとするものです。


 第5に、幼児教育について、「言葉の発達の早期化等を踏まえ」、幼稚園教育要領を「小学校との接続を意識」して見直し、同様に保育所や認定こども園においても見直すとしています。小学校との接続を口実に、子どもたちの発達を全面発達の視点からとらえずに、幼児教育にも「早期教育」を強化するなど、競争主義的な教育を持ち込もうとしています。
 また、3歳児で 35人学級という設置基準も改善せずに、子ども・子育て支援新制度にもとづき「制度面・財政面の環境整備」を行うとしており、問題です。


 第6に、これらの学制の「改革」に対応して、複数の学校種を教えることができる免許状の創設など、教員の「免許、養成、採用、研修、配置、処遇」等制度全般の見直しをしようとしていることです。この中で「教師インターン制度(仮称)」の導入や「メリハリのある給与体系」なども提言し、教職員への管理と統制を強化するものとなっています。


 第7に、「小中一貫教育学校(仮称)」の創設などとともに幼児教育の無償化など教育費負担の軽減も必要としていますが、その財源を「学校統廃合によって生じた財源」、「高齢者から子供・若者」への「資源配分」の移行、「民間資金の活用」に求めるものであり、教育費における公財政支出を GDP比で OECD諸国並に引き上げるなどの根本的な対策となっていません。
 そればかりか、財源確保をめぐって国民の間に対立を持ち込むものともなりかねないものでもあります。


 以上のように、「第五次提言」は、教育をいっそう競争主義的なものとし、財界の求める「人材育成」に活用しようとするものであり、断じて容認できません。全教は、こうした政策を許さず、憲法と子どもの権利条約にもとづき、子どもたちの成長・発達を保障する教育政策の確立に向けて全力をあげる決意です。                                   
                                          以上

注;
全教談話~今後の学制等の在り方について~
7月4日(金)の新聞に、
「小中一貫制度化を提言」「幼児教育段階的に無償」再生実行会議~静岡新聞、
「5歳児から義務教育」「小中一貫校も競争に拍車」~赤旗、
「教育再生会議:小中一貫校を提言…指導者免許も新設」~毎日、
「幼児教育無償化を提言 教育再生実行会議 課題は財源」~朝日、
「小中一貫校制度化、幼児教育無償化…教育再生実行会議が提言」~産経、


などと、取り上げられていた、政府の教育再生実行会議の第5次提言に対しての全教の態度です。

nice!(0)  コメント(0) 
教育政策・教育「改革」 ブログトップ
メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。